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町村議会トピックス

 

令和4年2月8日 委員会をオンライン開催する場合の委員会条例の改正

「オンライン委員会」対応の委員会条例改正案 全国議長会が示す


 全国町村議会議長会(会長・南雲正新潟県湯沢町議会議長)は令和4年2月8日、書面表決で開催した都道府県会長会で、委員会をオンライン開催する場合に必要な委員会条例の改正案を決定した。

 委員会のオンライン開催に対して、総務省は令和2年4月30日に出した通知の中で、「新型コロナウイルス感染症のまん延防止措置等の観点から、委員会の開催場所への参集が困難な場合には、オンラインを活用して委員会を開催することは差し支えない」と示していた。一方、本会議へのオンラインの適用には、地方自治法上、本会議への「出席」は現に議場にいることと解されるため、認められないとしている。

 地方議会の中には既に、委員会をオンラインで開催できるよう会議規則や委員会条例を改正した議会があり、県内町村議会では大津町議会と御船町議会が委員会条例を改正している。

 全国議長会は、今回の委員会条例の改正について、オンラインによる委員会は、委員会を開催すること自体が困難な場合を想定した「開会方法の特例」であり、各議会がそれぞれの状況に応じ採用すべきであるとし、標準委員会条例の改正は行わず、改正条文の例を示すにとどめた。

 改正条文は、委員会条例に、第13条の2(委員会開会の特例)を新たに加え、既存の第18条(秘密会)の一部を改正する内容。

 第13条の2の第1項は、「新型コロナウイルス感染症その他重大な感染症のまん延又は大規模な災害等の発生等により委員の参集が困難な場合」にオンライン委員会を開会できるとした。育児、介護など個人事由によるオンライン活動を認めている議会もあるが、各議会の実情に応じ必要性を判断してほしいとした。

 第2項では、オンラインによる出席を希望する委員は、あらかじめ委員長の許可を得ることを規定した。許可制としたのは、委員がオンラインで出席することを申請し、これに対し委員長が許可するというかたちを明確化するためとしている。

 第3項では、オンラインで出席した委員は、委員会条例の適用において出席したものとみなすとした。委員会条例で定める定足数(第14条)や表決(第15条)、記録(第27条)などの出席委員には、オンラインによる出席も含まれると明示した。

 第4項では、オンライン委員会の開会方法その他必要な事項を議長が定めるとした。具体的な運営方法について、要綱や規程、申し合わせ等を定めておくことが必要であるとし、別に示したQ&Aでは、オンライン出席を希望する委員の申請手続きや委員の責務、委員長の権限、表決の方法、除斥の方法などを定めておくことが考えられるとした。

 第18条の改正では、オンラインによる委員会は秘密会の対象から除外するとした。現実的にオンラインによる場合は、秘密性の担保が困難な場合が多いことから明示した。

 デジタル社会の進展に伴う今後の対応として、国がデジタル改革を推進している中で、町村議会にとっても、議会機能をこれまで以上に発揮する観点から、デジタル化は今後対応していくべき課題とした。

 一方で、町村議会には、人的・財政的な面から、オンラインの活用などデジタル化を推進したくとも直ちに導入することは難しいという声も多いことから、全国議長会は、国に対し技術的・財政的な支援を行うよう要請していくとした。

 また、今回の委員会条例の改正は、総務省の通知の趣旨に沿って、新型コロナウイルス感染症のまん延防止のための特例的、緊急避難的な要素が強いとしたうえで、今後デジタル化が進展し、町村議会を取り巻く状況が変化した際には、標準委員会条例・会議規則の改正なども検討していくとした。

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